ドクターハートのつぶやき(7) 熱中症
先日、日本救急医学会(以下学会)から本邦初となる
「熱中症に関する診療ガイドライン」が発表されました。
あったようでなかった「熱中症」のこの診療指針は、
医師はもとより、一般のひとにとっても大いに参考となるものです。
熱中症は、脱水や、血圧低下など、循環器領域にも大いに関連する、
と、無理矢理関連づけ、この時期に特に注意が必要な「熱中症」、
今回はこのガイドラインを参考に、これを取り上げてみました。
暑熱環境にいるときの、あるいは、暑熱環境にいた後の体調不良は、
すべて熱中症の可能性あり、と認識すべきです。(学会)
また、熱中症は、暑熱暴露が短いほど予後が良い(学会)。
その意味でも早期発見、早期治療が大切です。
学会は、熱射病を分かりやすくシンプルにI〜III度に分類しました。
I度は、みまもりと応急処置、II度は、医療機関へ、
III度は、入院加療が必要であるというものです。
遭遇することの多いのは、軽症のI度でしょう。
I度の症状と応急の対応は、以下の通りです。
症状:ぐったり、めまい、立ちくらみ、生あくび、大量の発汗、筋肉痛、こむらがえり、等、
対応:涼しいところで、着衣をゆるめ、安静。体表面を冷やす。経口的に水分をとらせる(スポーツドリンク、市販の経口補水液、緊急的には500ミリリットルペットボトルの水道水にひとつかみの食卓塩を加えて)
ここで大切なことは、I度の応急の対応と、
医療機関を受診すべきである熱射病II度かどうかの判断は、
現場に居合わせた一般市民に委ねられるということす。
熱中症の予防(水分をこまめにとる、長時間の暑熱環境にいることを避けるなど)
に関しては勿論、早期発見とその初期対応・応急処置について、よく理解しておきたいものです。
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