ドクターハートのつぶやき Vol.01
今回は,「胸が痛い」胸痛について:
それが死につながる危険性を孕む心筋梗塞の初発症状である場合から,
「心臓病か?」と不安がよぎることもあるものの死に至ることはないことが多い,
“胸痛”を取り上げてみました.
先ず,生命の危険がある「心筋梗塞」.
その特徴は,症状が強烈であることです.
「やけ火箸を突っ込まれたような」喉の灼熱感,
「象に踏みつけられたような」胸の圧迫感,など.
さらに,「死ぬかと思った」(死の恐怖を伴う)などのただ事ではない感覚があるのも特徴です.
この胸痛は、前胸部,胸骨の裏“あたり”(面,点ではない)に感じられ,
発現から数十分持続します.この時期に救急車を要請すれば救命できます.
ためらわずに,緊急受診を考えましょう.
これと似て非なる,ゆっくり対応を考えてよい“胸痛”も多くあります.
左前胸部を指さして,「ここが痛い」(点として感ずる),
チクンチクンと痛んだ(持続が短い),一晩休んだら治っていた(持続が長い),
深呼吸したらあるいは,体位を変えたら軽快した(体位により変化する)など.
これらの多くは,神経痛,骨格筋や腱,骨,などに痛みの震源があります.
「胸が痛い」には,病気の危険な兆候である場合と,焦る必要がない無害なものとがあります.
これに遭遇した時,あわてずに,冷静に対応してください.
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