ドクターハートのつぶやき〜ふらつき〜
寝ていて起き上がったとき、椅子に腰掛けていて立ち上がったとき、
歩いているとき、横になっているとき、立っているとき、
車に乗ろうとしたとき、・・・・・
色々な状況下で短時間の「ふらつき」を感ずることがあります。
これは「めまい」とも表現され、その多くは、三半規管
(耳の奥にある平衡感覚を司る)のトラブルが原因で、心臓や血圧などと縁遠いので、
「ハートドクター」の出番はありません。
一方、心臓が拍動を停止(心停止)すると、脳の血液循環も停止し、意識が遠のきます。
心停止が一時的で、拍動が再開されれば意識は直ぐに回復し、
「フラーッ」とした感覚、つまり「ふらつき」が感じられます。
心拍動は、右心房にある洞結節より始まります。
ここでは、時計のクオーツの如く、常に固有の刺激が発現し、止まることはありません。
しかしこれが心拍出を担う心室へと伝えられる経路(刺激伝導系)
では途切れることがあります(ブロック)。これが長時間(10秒以上位)に及ぶとき、
この間脳血流も途絶えることになり、意識が遠のき、「ふらつき」がかんじられます。
このようなことが頻繁であれば、心拍数を担保するために、「ペースメーカー」の植え込みが必要になります。
また、心臓は正常に拍動しているのに「フラーッと」することもあります。
例えば、「立ちくらみ」(俗に、脳貧血);急に立ち上がると、
頭の血液が立ち上がる前の位置にとどまったままとなり、極論すると、
頭の中の血液が空っぽのままとなり、脳の血流不足となります。
このため、脳の活動が一瞬低下し、その結果意識が遠のきます。
しゃがみ込むなり、横になれば、直ぐに回復します。
心臓病が潜んでいることもありますので、
めまいやふらつきを覚える時には念のために、ハートドクターにご相談下さい。