2020/8/28 金曜日

ドクターハートのつぶやき(66)

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新タイプの心不全治療薬(イバブラジン)
心拍数は落とすが、心収縮機能は落とさない

福岡医療専門学校 顧問  桑木絅一(循環器専門医)

前回は、心不全治療薬として最もポピュラーな利尿薬について、最近になって用いられるようになった利尿物質:バゾプレシンV2受容体阻害薬についてお伝えしました。今回は、心臓の収縮力に影響なく心泊数みを落とすという、「イバブラジン」のご紹介です。
心不全では、末梢循環を保つために、心収縮力を増強、血圧上昇、心泊数増加(頻脈)、などの循環動態の反応が起こります。このうち、頻脈は、時として、不快感を増し、所謂QOL(quality of life)を損ないます。
この不快な頻脈を抑えるためには、これまでは、β遮断薬が用いられてきました。ところが、困ったことに、これは、心収縮力を弱めてしまいます。これは、心不全にとって、不利なことです。
新しく登場した、イバブラジンは、洞結節(心拍数を制御)のみを抑制(すなわち心拍数を少なくし)、収縮心筋には影響しません。つまり、心収縮力に影響することなく、心拍数だけを少なくすることが出来るというわけです。
実は、「心収縮力を弱くすることなく、心拍数だけを減ずる」という命題は、循環器医が長年取り組んできて、いまだ未解決の大きなテーマでもあります。
市場に出てまだ日が浅く、解決すべき問題も残っていますが、イバブラジンはその解決に大きく寄与するであろうという予感がします。

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