ドクターハートのつぶやき
脳卒中・循環器病対策基本法が成立しました
福岡医療専門学校 顧問 桑木絅一(循環器専門医)
昨年12月に、脳卒中・循環器病対策基本法(正式には、「健康寿命の延伸等を図るための脳卒中、心臓病その他の循環器病に係わる対策に関する基本法」)が、衆議院本会議にて全会一致で可決、成立しました。
この法律の基本理念は、
生活習慣の改善などにより循環器病の予防を推進する、
循環器病患者に対して迅速な搬送と適切な治療を行える医療体制を整備する、
医療保険者に対しては、行政が行う循環器病の予防の普及啓発などの施策に対して、協力を求める、というものです。
脳卒中、心臓病は、日本人の死因の上位を占めており、これを何とかしなければ、という動きは以前からありましたが、国民の意見の集約が得られず、その方策については、実動にはいたっていませんでした。このたび、国もやっと重い腰を上げ、国民を巻き込んでその予防、治療への取り組みを始めた、といったところでしょう。
われわれも、生活習慣病予防につとめる、健診を受診し二次健診も積極的に受ける、など身近で出来るところから、動脈硬化症の予防に配慮し、本法の趣旨を理解し、その活動に参加してみてはいかがでしょうか。