2023/1/8 日曜日

ドクターハートのつぶやき(89)

Filed under: プライベート — yo @ 15:03:31

福岡医療専門学校 顧問  桑木絅一(循環器専門医)

 今回は、サルコイドーシスについてふれてみたいと思います。
 この疾患名は、聞き慣れないという方が多いかと思います。これは、原因不明の全身性肉芽腫性疾患です。因みに肉芽とは、新生結合組織で、肉眼的に顆粒状の組織に見えるところから、肉の芽という字が当てられ、新生物であるところから腫瘍の「腫」があてられていますが腫瘍ではありません。
 この疾患は、呼吸器病変を伴うことが多く、胸部レントゲンや胸部CT検査などで発見されることが多いのですが、ほぼ全ての臓器で発現します。
 確定診断のためには、組織検査(生検)が必要です。
 臨床症状は、肉芽腫発現の部位により様々です。
 多くは、無症状、ないし軽度で、このためにかえって発見が遅れてしまいます。
 心臓が疾患の場―心臓サルコイドーシスは、高度房室ブロックや、異常な心室壁運動のため、心電図や、心エコー図など通常の臨床検査により発見されることが普通です。
 病因論としては、アレルギー反応の考えが有力です。
 
 本疾患は、まだまだ未知の部分が多く、今後の研究に委ねるところが多い分野です。

2022/10/25 火曜日

ドクターハートのつぶやき(88)

Filed under: プライベート — yo @ 17:43:01

心臓リハビリテーション(心リハ)

福岡医療専門学校  顧問 桑木絅一(循環器専門医)

先般、国会に於いて国の循環器病対策の基本方針をとめた「循環器病対策基本法」が成立しました。これにより、我が国での循環器病の診療体系が大きく変わり始めました。中でも、心臓リハビリテーション(心リハ)については、これまでの心筋梗塞の病後のみならず、心不全や、不整脈など、ひろく、循環器病が対象となりました。
心リハとは、心血管疾患患者の身体的・心理的・社会的・職業的状態を改善し、基礎にある動脈硬化や心不全状態の進行を抑制し、—中略—多職種チームが実践する長期にわたる多面的・包括的プログラムを指すと定義されています。そしてその目的は、心疾患による再発、並びに再入院を抑制し、生命予後を改善するという、予防医学としての意義にあります。
この目的のためには、患者とその家族がその生活の中で適切な自己管理行動(self management)を継続できるように支援するという予防医学的なことが重要です、そしてそれを担うのが、心リハなのです。
今回は、心リハの対象が、これまでの範囲を超えて、循環器病にとって重要な存在となったことをお伝えしました。

2022/9/30 金曜日

糸島市からの贈り物「糸島支援米」を学生に配布しました。

Filed under: キャンパスライフ, プライベート — yo @ 11:42:03

8/25(木)、連携協定を締結している糸島市から、生活に困窮している学生支援を目的として、令和3年度糸島産米をご提供いただきました。
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コロナ禍における様々な社会情勢の変化は、本校学生の生活にも多大な影響を及ぼしています。
事前に配布希望調査を行ったところ大変多くの手が挙がりましたので、クラスごとに順次配布を行いました。
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その中で数人の学生に感想を聞いたところ、
「切り詰めた生活をしているので純粋に嬉しいです」「安心して学習に割くことができる時間が増えるのでとてもありがたいです」
との声が聞かれました。

支援米をご提供いただいた糸島市、お米を育てていただいている生産者の方々、並びに今回の取り組みにご尽力いただいた関係者の皆様に対し、心より感謝申し上げます。
本当にありがとうございました。

最上級生は国家試験まで残り半年を切りました。今からラストスパートを掛けるときです。
いただいた糸島支援米をたくさん食べて、この冬を元気に乗り越えていきましょう!💪😊

ドクターハートのつぶやき(87)

Filed under: プライベート — yo @ 10:23:56

HCM (肥大型心筋症)とDCM(拡張型心筋症)

福岡医療専門学校 顧問 桑木絅一(循環器専門医)
  
心臓の筋肉(心筋)そのものの異常(原発性)による心臓病があります。それは、心筋症です(Cardiomyopathy)
心筋症には、大別して、2種類、あります。
HCM (Hypertrophic Cardiomyopathy )肥大型心筋症と
DCM (Dilated Cardiomyopathy) 拡張型心筋症です。

高血圧など、心収縮力を増強しなければならないときに、それに呼応して心筋線維の肥大が起こります。その結果、心臓肥大になります。
HCMは、圧負荷がないのに、心筋線維の肥大が起こり、その結果、心肥大になったものです。
HCM は、多くは無症状に経過します。収縮力は十分ですが、心筋の柔軟性を欠き、 心臓の拡張障害を来し、このため十分な心拍出量が得られず、心機能低下を来たすことがあります。
一方、DCMは、やはり遺伝子異常のために、心筋組織が伸びきった状態となり、心収縮力を産むことが出来ず、心拡大、心機能不全に陥ります。生涯にわたって、慢性心不全の治療が必要となります。
HCM、DCMともに、遺伝子異常が関与しています。従って、今のところ、根本的な治療法はありません。が、ともに。難病に指定されていますので、今後の研究に待つことになります。

2022/9/3 土曜日

ドクターハートのつぶやき(86)

Filed under: プライベート — yo @ 10:54:06

低カリウム血症

福岡医療専門学校 顧問 桑木絅一(循環器専門医)

どんなに多く食べても、飲んでも、健常人では、水・電解質・酸塩基バランスは生理的範囲に調整されています。そして、そのバランスがくずれるといろいろなからだの不調が現れることがあります。
カリウム(K)は、細胞内の主要な陽イオンですが、健診などで、低カリウムが指摘されることの多い項目です。そのレベルでは、多くは目立った症状はありません。
食事の偏りがありカリウムの摂取が不足していたり、利尿薬などの影響で排泄が多くなると、低値(低カリウム血症)となることがあります。低カリウム血が認められたら、まず、これらの要因を考慮してください。
低カリウム血症は、無症状に経過し、検査結果から気づかれることが普通ですが、低カリウム血症を呈する特別な病気もあり、またまれに危険な不整脈の原因となることもあり、決して侮れません。
低カリウム血症と診断されたときは、食事の習慣や服薬状況など、念のためにチェックしておきたいものです。なお、心電図波形には、特徴的なパターンが見られ、本症の早期発見に役立ちます。

2022/8/19 金曜日

第55回 公益社団法人 全国柔道整復学校協会 柔道大会に出場しました!

令和4年8月10日(水)、東京武道館にて3年ぶりに「全国柔道整復学校協会 柔道大会」が開催され、本校柔道整復科の学生3名が大会に出場しました。

<参加選手>
先鋒:柔道整復科3年 松永昂士(宮崎日大高校出身)写真左
中堅:柔道整復科3年 白波大喜(宮崎日大高校出身)写真中央
大将:柔道整復科1年 今村 光(鵬翔高校出身)  写真右

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<予選リーグ一回戦>
福岡医療専門学校 −0 京都医健専門学校
先鋒:松永(一本勝ち)
中堅:白波(一本勝ち)
大将:今村(一本勝ち)
全員が一本勝ちで勝利しました。

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<予選リーグ二回戦>
福岡医療専門学校 −0朝日医療専門学校
先鋒:松永(一本勝ち)
中堅:白波(一本勝ち)
大将:今村(不戦勝)

予選リーグ2試合の結果、決勝トーナメント出場が決定しました。
↓この写真は先鋒松永選手が綺麗な背負投げで1本を取る様子です。
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<準決勝>
福岡医療専門学校 ◆檻亜‘本総合医療専門学校
先鋒:松永(一本勝ち)
中堅:白波(一本勝ち)
大将:今村(引き分け)

先鋒の松永選手が試合序盤「技有」を奪われ厳しい試合展開を迎えましたが、チーム一丸となり乗り越えました。

さあ、次はいよいよ決勝戦・・・心技体すべてにおいて「ギア」が上がってきました。
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<決勝戦>
対戦相手は育英メディカル専門学校です。
選手達は全力を出し切り戦ってくれました!

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そして試合結果は・・・
福岡医療専門学校 −0 育英メディカル専門学校
先鋒:松永(技有勝ち)
中堅:白波(一本勝ち)
大将:今村(一本勝ち)

全国大会で優勝しました!
しかも、最優秀選手に本校キャプテン白波大喜選手が、優秀選手に松永昂士選手が選出されました。

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応援してくれた皆様、ありがとうございました。
そして、日頃の練習の成果を十二分に発揮し、輝かしい成績を残してくれた選手達、感動をありがとう!

柔道整復師を養成する福岡医療専門学校

2022/8/4 木曜日

ドクターハートのつぶやき(85)

Filed under: プライベート — yo @ 14:22:13

糖尿病治療薬変じて心不全治療薬となる:SGL2物語

福岡医療専門学校 顧問 桑木絅一(循環器専門医)

SGL2(sodium glucose cotransporter 2)阻害薬は、糖尿病治療薬としてすでに広く用いられています。(ジャディアンス、フォシーガなど)
糖尿病には心血管病の合併症が多く、それがもとで心不全に陥っている例も少なくありません。この心不全が、糖尿病治療薬SGL2阻害薬使用中の例では、重症化しない、あるいは改善した、という予期せぬことが、頻回にみられました。そこで、糖尿病を合併していない心不全の症例では、その改善効果がみられるかどうか、検討されました。つまり、多数の心不全患者での大規模治験が組まれました。
その結果、本薬は心不全を改善する、心不全を予防する、と結論され、新たな、心不全治療薬として認められることとなりました。
このような「いきさつ」を経て、現在では、心不全治療薬として、広く用いられることとなりました。
通常、新薬は、治療効果があること、副作用がないことなどを確認して、市場に出されますが、本薬のように、すでに市場に出回っている薬剤に関しては、その副作用など、マイナス面の検討の必要はなく、効果についてのみ、検討が残っていることになり、医療経済の観点からも、歓迎されます。
 このような例は、あまりありませんので、紹介しました。

2022/6/27 月曜日

ドクターハートのつぶやき(84)

Filed under: プライベート — yo @ 17:05:46

福岡医療専門学校 顧問 桑木絅一(循環器専門医)

左房血栓形成予防としての左心耳閉鎖術について

 心房細動は、脳梗塞の危険因子です。それは、心房細動では、左心房に壁在血栓が出来やすく、壁在血栓は遊離して、血流にのって脳に達し、脳血栓症、脳梗塞を引き起こす可能性があるからです。
壁在血栓の出来やすい部位は、左心房の中でも左心耳と呼ばれる部位です。ここは、盲管になっており、血流の停滞が起こりやすい、即ち、血栓のできやすい、部位です。
左房内血栓形成の予防として、この袋状の部分を閉鎖してしまおうというアイデアが以前からあり、実際に手術的に閉鎖術が施行されていました。しかし、左心耳の閉鎖術にとどまらない、大掛かりな心臓手術となってしまい、左心耳閉鎖術は、広く行われるようにはなりませんでした。
最近になって、この左心耳にすっぽりはまるような器具(デバイス)が開発され、より簡便な右心カテーテル法を用いて、左心耳に装着することが可能となりました。装着後の経過も血栓予防効果も良好です。
左心耳内に血栓が出来ないようにするには、抗血小板薬治療や抗凝固療法など、出血の危険性と隣り合わせの服薬治療が必要で、「さじかげん」が、難しいところもありました。このデバイスのおかげで、ある意味、気楽に、血栓予防のデバイスを用いることが可能となり、
左心耳の血栓形成予防に、大きな変革をもたらしました。
このデバイスを用いた左心耳閉鎖術は左心耳内血栓形成を防ぐ、いわば、第一選択となってきました。

2022/4/25 月曜日

ドクターハートのつぶやき(83) 

Filed under: プライベート — yo @ 14:07:29

心筋梗塞後のマクロファージ浸潤の意味について
  

福岡医療専門学校 顧問  桑木絅一(循環器専門医)

     心筋梗塞後のマクロファージの浸潤とその役割について

 心筋梗塞後壊死に陥った心筋には、マクロファージ(大型の一種の白血球)が、浸潤します。
心筋梗塞発症後、初期の段階では、まず炎症性マクロファージが浸潤し、心筋梗塞によりダメージを受けた組織を、炎症によって破壊、貪食します。
次いで、組織の修復を司るマクロファージの浸潤が続きます。これは、血管新生や繊維化を行い、梗塞心筋の瘢痕治癒化に寄与しています。
梗塞後の心不全は、梗塞により心筋収縮力が低下したために発生すると一般的には考えられていますが、この考えかたでは理解できない、心不全発症機序、即ち、「マクロファージ機能不全」、もあることが分かってきました。
即ち、梗塞心筋のいわば後始末、地ならしの作業のなど、一連のマクロファージによる心筋の「メインテナンス」不良によるもの、が原因であるものもある、といった新しい考え方です。
梗塞後の心不全を見るとき、心筋のダメージにのみとらわれないで、見かけ上、軽度のダメージでも心不全が発症する、即ち、マクロファージによる心筋のメインテナンス不良によるものもあるという、別の観点からの見方も念頭に置くべき、ということです。

2022/4/4 月曜日

ドクターハートのつぶやき(82)

Filed under: プライベート — yo @ 14:31:32

肺動脈血栓塞栓症(Pulmonary Artery TromboEmborysm)後に残った肺高血圧症

福岡医療専門学校 顧問  桑木絅一(循環器専門医)

 肺動脈圧は、右心室によって生み出されます。従って、当然、動脈圧つまり、血圧(左心室圧)に比べれば低値です.正常値は20mmHg以下です。
広い範囲の、とくに細い、肺動脈が 血栓により慢性的に狭窄・閉塞され、肺動脈圧が上昇、肺高血圧が進行します。肺高血症の症状は、息切れや動悸など、本症以外でもよく見られる、非特異的なものが多く、初めのうちは目立ちません。肺高血圧が6か月以上持続すると、やっと右心室の拡張や、肥大、頑固なむくみなど、右心系心臓障害の特徴的な症状がみられるようになります。 
 肺高血圧症の原因となる肺動脈血栓塞栓症(pulmonary artery thrombo-emborysm PATHE)は対しては塞栓症発症初期であれば、血栓除去術、肺動脈内膜形成術、など、外科的なアプローチが可能ですが、成績は悪く、結局、肺高血圧を残してしまいます。
本症の長期予後は悪くリハビリや再発予防に委ねることになります。

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