2024/3/5 火曜日

ドクターハートのつぶやき104

Filed under: プライベート — yo @ 10:40:01

水・電解質・酸塩基バランスについて

福岡医療専門学校 顧問  桑木 絅一(循環器専門医)

利尿薬の使用に際しては低カリウム血症に、腎不全では高カリウム血症による重症不整脈に気をつけなければならない、など、血液電解質(ここではカリウム)は、異常値になるまであまり注目されません。健常人は、特に意識しないでも、どんなものをどのくらい多く、飲み食いしても水・電解質、酸塩基バランスは生理的範囲に調整されています。そして、そのバランスが崩れたとしても多くは何の症状もありません。
しかし、わずかな異常を無視してはいけません。それが重大な病気の症候であることがあるからです。例えばわずかにナトリウムが高いところから脱水に気がつくこともあります。カリウムが少しだけ低いことにこだわって精査をすすめたところ副腎皮質の腫瘍による原発性アルドステロン症であったという例もあります。わずかな電解質の異常値にも注意を払いたいものです。

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