2023/3/23 木曜日

ドクターハートのつぶやき(91)

Filed under: プライベート — yo @ 15:37:08

起座呼吸

福岡医療専門学校 顧問 桑木絅一(循環器専門医)

今回は、心不全の症状について、お話しします。
心不全の症状と云っても、目立つのは心臓の症状というより肺の症状、つまり呼吸困難、息苦しさ、です。
肺では、末梢の気管支枝などで気道の中の空気がはじかれて、ラ音と呼ばれる、肺雑音が生じます。我々は、これを聴いて、心不全ありと診断します。
心不全では、肺、つまり上半身のうっ血が症状の主体です。これを軽減するには上半身を高くします。つまり、起座位の方が楽に呼吸できます。これが起座呼吸です。
うっ血を改善するためには、利尿薬が用いられています。利尿薬の役目は、静脈血量を減らして、肺のうっ血を改善することです。

2023/2/3 金曜日

ドクターハートのつぶやき90

Filed under: プライベート — yo @ 9:08:15

心不全症状(うっ血)は心室の伸展性(コンプライアンス)の低下により起こる

福岡医療専門学校 顧問 桑木絅一(循環器専門医)

今回は、心不全の主な症状である、「うっ血」がなぜ起こるか?について、その経路について解説します。
うっ血を来す経路の「原点」は、左心室の伸展性(コンプライアンス)の低下です。左心室は、収縮により拍出を終わり、拡張期に入り、拡張末期には最低圧となります。左心室の伸展性(即ちコンプライアンス)の低下があると、
左心室は最大に拡がりきれず、この末期圧が高いままで、次の収縮につながってしまいます。本来、拡張末期には、心内にかかる圧をにがしてしまうべきなのに逃がすことが出来ずに、拡張末期圧の上昇があり、このわずかの圧の上昇が持続すると、左心室の上流に当たる、肺血管床の圧が上昇し、肺静脈圧上昇、ひいては肺浮腫等心不全の症状を呈することになります。
この時、交感神経系の緊張が増し、脈拍数が増加し、BNP等抗心不全物質の分泌が促され、心不全に抗しようとします(即ち代償機構が働きます)。
心不全は、これら、代償機構が破綻した結果生じた、状態、ということがいえます。心不全の治療として、このコンプライアンス増強する方法、即ち、心室筋や血管系の柔軟性を増す、血管拡張薬等が好んで用いられています。これは、最近一般的になったことです。

2023/1/8 日曜日

ドクターハートのつぶやき(89)

Filed under: プライベート — yo @ 15:03:31

福岡医療専門学校 顧問  桑木絅一(循環器専門医)

 今回は、サルコイドーシスについてふれてみたいと思います。
 この疾患名は、聞き慣れないという方が多いかと思います。これは、原因不明の全身性肉芽腫性疾患です。因みに肉芽とは、新生結合組織で、肉眼的に顆粒状の組織に見えるところから、肉の芽という字が当てられ、新生物であるところから腫瘍の「腫」があてられていますが腫瘍ではありません。
 この疾患は、呼吸器病変を伴うことが多く、胸部レントゲンや胸部CT検査などで発見されることが多いのですが、ほぼ全ての臓器で発現します。
 確定診断のためには、組織検査(生検)が必要です。
 臨床症状は、肉芽腫発現の部位により様々です。
 多くは、無症状、ないし軽度で、このためにかえって発見が遅れてしまいます。
 心臓が疾患の場―心臓サルコイドーシスは、高度房室ブロックや、異常な心室壁運動のため、心電図や、心エコー図など通常の臨床検査により発見されることが普通です。
 病因論としては、アレルギー反応の考えが有力です。
 
 本疾患は、まだまだ未知の部分が多く、今後の研究に委ねるところが多い分野です。

2022/12/13 火曜日

12月10日(土)第1回入学予定者登校日を開催しました。

本校では、入学前サポートの一環として、例年12月と2月の2回、入学予定者に対して登校日を設けています。入学後、スムーズに学校生活をスタートきるように、また入学までの時間を有意義に過ごせるよう本校教職員、在校生がしっかりサポートします。
今回は、そんな当日の様子を紹介いたします。

こんにちは!!と元気よく先輩たちがお出迎えします!
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そして、各学科教室の入口で受付をして、いざスタート!!
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内容は各学科趣向を凝らしています。
学習課題のサポートや、入学後、スムーズに学習に取り組めるよう、今のうちから知っておいて欲しいことや、学習のポイントなど専任教員が丁寧に説明していきます。
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在校生の学校紹介もとても盛り上がりました。
実際にスライドを作成し学校生活や教員の紹介してくれました。
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いくつかのグループに分かれて、入学する前や、その後の話を先輩から聞く事ができました。
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学生支援課より、奨学金の説明や学費についての相談会をしてもらいました。
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令和5年4月から新設する歯科衛生科に入学する生徒は、最新設備の見学ツアーに行きました。
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最新の歯科ユニットを使用した実技体験は最高の経験になりました。
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今回の登校日も在校生との関わりがたくさんあり、とても楽しかったという声が多く聞かれました。
我々教職員も新鮮な気持ちになり、なんだかとても嬉しかったです。(^O^)
次回の入学予定者登校日は2月4日(土)に開催します。
皆さまとお会いできる事を楽しみにしています。
体調にはくれぐれも気を付けてお過ごしください。

2022/10/31 月曜日

オープンキャンパスでの1コマ

皆さんこーんにちはー(^^)/
朝晩冷えこむ季節になってきましたが、風邪などひいていませんか?
紅葉を見て、温泉に浸かって、美味しい料理を食べて・・・秋を存分に楽しみたいなぁと思う今日この頃です🍁

さてさて、そんな気持ちのいい秋晴れが広がった10/29(土)、オープンキャンパス【複数学科体験DAY】を開催しました✨
今回はその時の様子を皆様にお伝えします(被写体の方々全員に掲載許可を得た上でアップしています)。

来場者の中に、福岡県内の公立高校に在籍する2年生女子3人組がいました。
3人の志望学科は歯科衛生科と看護科。
受付時から明るくて元気のいい3人でしたが、実技体験が始まるとさらに大興奮😲
歯科衛生科の実技体験ではできたてほやほやの歯科実習室で、最新の歯科ユニットを使って体験してもらいました😊

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ルナビューショット(口腔内カメラ)を用いての実技中はもちろんのこと、ユニットの背もたれが倒れただけで歓声が上がっていました(笑)

帰り間際にはみんなで記念撮影📷
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なんかポーズ取って〜とお願いして撮ったのが2枚目の写真。
3人はバスケ部だということで、バスケっぽいやつ!って言ってましたが、ごめんなさい、何度見てもどこがバスケっぽいのかよくわかりません(笑)

そんなこんなで今日も無事にオープンキャンパスが終了しました。ご来場いただいた皆様、ありがとうございました。

本校のオープンキャンパスでは、毎回各学科の実技体験を味わうことができます。
(実技体験DAY以外の日でも、オプションコースでご準備しております)
最新の歯科実習室もほぼ完成しておりますので、医療系分野に興味がある方は、ぜひ一度お気軽にご参加ください!

2022/10/27 木曜日

久留米市立南筑高等学校2年生の皆さんが来校されました!

令和4年10月21日(金)、久留米市立南筑高等学校の2年生23名と先生2名が学校見学にいらっしゃいました。

当日は、学校紹介と施設見学を行いました。
施設見学はグループに分かれて行いましたが、屋上グラウンドを見てテンションが上がりすぎる班もあり、みんなで記念撮影をしていました(笑)📷😊
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希望学科に分かれての体験授業では、皆さん明るい雰囲気で精力的に取り組んでくれました。
そのおかげで、我々教員もとても楽しい時間を過ごすことができました。
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鍼灸科の先生から、とある先輩の名前が挙がった際には、
「その先輩知ってます!わたし後輩です!」と嬉しそうな声が挙がっていました😻
頑張る先輩の姿を、後輩たちはしっかりと見ています。
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最後は、帰りのバスに乗り込む前にあちらこちらでパシャ✨📷
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今回の体験が、皆さんの今後の進路選択に少しでも役立つことを、我々教職員一同、心より願っております。

また気軽に遊びに来てくださいね✨👋

2022/10/25 火曜日

ドクターハートのつぶやき(88)

Filed under: プライベート — yo @ 17:43:01

心臓リハビリテーション(心リハ)

福岡医療専門学校  顧問 桑木絅一(循環器専門医)

先般、国会に於いて国の循環器病対策の基本方針をとめた「循環器病対策基本法」が成立しました。これにより、我が国での循環器病の診療体系が大きく変わり始めました。中でも、心臓リハビリテーション(心リハ)については、これまでの心筋梗塞の病後のみならず、心不全や、不整脈など、ひろく、循環器病が対象となりました。
心リハとは、心血管疾患患者の身体的・心理的・社会的・職業的状態を改善し、基礎にある動脈硬化や心不全状態の進行を抑制し、—中略—多職種チームが実践する長期にわたる多面的・包括的プログラムを指すと定義されています。そしてその目的は、心疾患による再発、並びに再入院を抑制し、生命予後を改善するという、予防医学としての意義にあります。
この目的のためには、患者とその家族がその生活の中で適切な自己管理行動(self management)を継続できるように支援するという予防医学的なことが重要です、そしてそれを担うのが、心リハなのです。
今回は、心リハの対象が、これまでの範囲を超えて、循環器病にとって重要な存在となったことをお伝えしました。

2022/9/30 金曜日

糸島市からの贈り物「糸島支援米」を学生に配布しました。

Filed under: キャンパスライフ, プライベート — yo @ 11:42:03

8/25(木)、連携協定を締結している糸島市から、生活に困窮している学生支援を目的として、令和3年度糸島産米をご提供いただきました。
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コロナ禍における様々な社会情勢の変化は、本校学生の生活にも多大な影響を及ぼしています。
事前に配布希望調査を行ったところ大変多くの手が挙がりましたので、クラスごとに順次配布を行いました。
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その中で数人の学生に感想を聞いたところ、
「切り詰めた生活をしているので純粋に嬉しいです」「安心して学習に割くことができる時間が増えるのでとてもありがたいです」
との声が聞かれました。

支援米をご提供いただいた糸島市、お米を育てていただいている生産者の方々、並びに今回の取り組みにご尽力いただいた関係者の皆様に対し、心より感謝申し上げます。
本当にありがとうございました。

最上級生は国家試験まで残り半年を切りました。今からラストスパートを掛けるときです。
いただいた糸島支援米をたくさん食べて、この冬を元気に乗り越えていきましょう!💪😊

ドクターハートのつぶやき(87)

Filed under: プライベート — yo @ 10:23:56

HCM (肥大型心筋症)とDCM(拡張型心筋症)

福岡医療専門学校 顧問 桑木絅一(循環器専門医)
  
心臓の筋肉(心筋)そのものの異常(原発性)による心臓病があります。それは、心筋症です(Cardiomyopathy)
心筋症には、大別して、2種類、あります。
HCM (Hypertrophic Cardiomyopathy )肥大型心筋症と
DCM (Dilated Cardiomyopathy) 拡張型心筋症です。

高血圧など、心収縮力を増強しなければならないときに、それに呼応して心筋線維の肥大が起こります。その結果、心臓肥大になります。
HCMは、圧負荷がないのに、心筋線維の肥大が起こり、その結果、心肥大になったものです。
HCM は、多くは無症状に経過します。収縮力は十分ですが、心筋の柔軟性を欠き、 心臓の拡張障害を来し、このため十分な心拍出量が得られず、心機能低下を来たすことがあります。
一方、DCMは、やはり遺伝子異常のために、心筋組織が伸びきった状態となり、心収縮力を産むことが出来ず、心拡大、心機能不全に陥ります。生涯にわたって、慢性心不全の治療が必要となります。
HCM、DCMともに、遺伝子異常が関与しています。従って、今のところ、根本的な治療法はありません。が、ともに。難病に指定されていますので、今後の研究に待つことになります。

2022/9/29 木曜日

大分県立日田三隈高等学校の皆様が来校されました。

去る9/21(水)、大分県立日田三隈高等学校の1年生30名と先生2名が学校見学にいらっしゃいました。

当日は、施設見学と医療系職種についての座学を行った後、各学科に分かれて実技を体験してもらいました。

↓理学療法科の様子
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↓看護科の様子
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↓鍼灸科の様子
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↓歯科衛生科の様子
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皆さん、初めて聞く言葉や初めて見る機器・道具類が多かったと思いますが、いかがでしたでしたか?楽しめたでしょうか?

今回の体験が、皆さんの今後の進路選択に少しでも役立つことを、我々教職員一同、心より願っております。
残り2年半の高校生活を、全力で駆け抜けてくださいね!

福岡まで来る機会があれば、いつでも気軽に遊びに来てくださいね〜😊

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