2024/3/5 火曜日

ドクターハートのつぶやき104

Filed under: プライベート — yo @ 10:40:01

水・電解質・酸塩基バランスについて

福岡医療専門学校 顧問  桑木 絅一(循環器専門医)

利尿薬の使用に際しては低カリウム血症に、腎不全では高カリウム血症による重症不整脈に気をつけなければならない、など、血液電解質(ここではカリウム)は、異常値になるまであまり注目されません。健常人は、特に意識しないでも、どんなものをどのくらい多く、飲み食いしても水・電解質、酸塩基バランスは生理的範囲に調整されています。そして、そのバランスが崩れたとしても多くは何の症状もありません。
しかし、わずかな異常を無視してはいけません。それが重大な病気の症候であることがあるからです。例えばわずかにナトリウムが高いところから脱水に気がつくこともあります。カリウムが少しだけ低いことにこだわって精査をすすめたところ副腎皮質の腫瘍による原発性アルドステロン症であったという例もあります。わずかな電解質の異常値にも注意を払いたいものです。

2024/2/5 月曜日

ドクターハートのつぶやき103

Filed under: プライベート — yo @ 9:35:00

フレイルについて

福岡医療専門学校顧問  桑木 絅一(循環器専門医)

最近 高齢者人口の増加やコロナ禍での引きこもりなどをきっかけに、フレイルの概念が認識されるようになりました。今回は、虚弱体質について何気なく使われてこのフレイルについて解説します。
フレイルとは、次の5項目のうちうち3項目以上あるときと定義されています。即ち、
1) 体重減少
意図しないのに、6ヶ月で2Kg以上の減少が認められます。
2) 虚弱 
握力の低下が目安になります。日常生活で、握力が低下していることが自覚されます。
3) 活動量低下
 元気なときに比べ動きが鈍くなっていることが自覚されます。   

4) 動作が緩慢になる
歩行速度が低下していることが自覚されます。
5) 得体の知れない疲労感
特別な理由の心当たりがないのに疲労感を感ずることがあります。
そして、これらの主な原因として、低栄養(特にタンパク質の摂取不足)、筋肉量の減少―サルコペニア)、運動不足、などが上げられています。
フレイルに陥らないためには、朝食から十分なタンパク質をとることが重要です。
栄養管理、適度の運動、などを心がけ、フレイル防止に心がけ元気で長生きしたいものです。

2024/1/4 木曜日

ドクターハートのつぶやき102

Filed under: プライベート — yo @ 10:05:21

市中肺炎について

福岡医療専門学校 顧問  桑木 絅一(循環器専門医)

今回は、市中肺炎について述べます。 
肺炎は、発症の場や病態の観点から以下の三つに大別されます。
1)市中肺炎 community-acquired pneumonia (CAP) 
2)医療・介護関連(nursing and healthcare-associated pneumonia (NHCP)
3)院内肺炎(hospital-associated pneumonia (HAP)

肺炎と云うときは、市中肺炎のことをさします。
肺炎が疑われるとき、まず、喀痰の培養を行い、起炎菌を同定し、それをターゲットとして、抗生物質による治療が開始されます。
但し、悩ましいことに検出された菌が起炎菌でないこともあります。
起炎菌が同定されたら、それをターゲットとして抗生物質による治療が開始されます。因みに、CAPで、最も頻度が高い起炎菌は肺炎球菌です。
但し、悩ましいことに検出された菌が起炎菌でないこともあります。
肺炎はそれぞれ原因微生物や転帰が異なります。
死亡率はHAP>NHCAP>HAPです。
CAP患者の基礎疾患は、比較的軽度の場合が多いようです。

2023/12/3 日曜日

ドクターハートのつぶやき101

Filed under: キャンパスライフ, プライベート — yo @ 14:08:26

糖尿病の新呼称「ディアベテス」

福岡医療専門学校 顧問 桑木絅一(循環器専門医)

日本糖尿病学会などから、糖尿病の呼称として(病名でなく)ディアベテスが提言されました。今後、定着すると思われますのでご紹介しましょう。
糖尿病は、英語ではこれは、diabetes と書きます。本邦では、一般的ではありませんが、諸外国では、広く用いられています。糖尿病が広く世界に羽ばたけるように、という祈りをこめて生まれた機運でしょう。因みに、臨床の現場では「ディアベ」と略称で云うことが多いです。
病名の変更となると関連する、法律、学会など、影響が多ところから、「呼称」変更としたところが、苦肉の策かもしれません。今後、diabetes が普及することでしょう。

2023/11/28 火曜日

【メキシコで活躍する鍼灸師】本校OB勝野先生にご講演いただきました。

令和5年11月27日(月)、本校柔道整復科4期生・鍼灸科3期生の勝野馨太先生にお越しいただき、柔道整復科・鍼灸科の在校生たちに対して講演をしていただきました。

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勝野先生は本校で2005年に柔道整復師及び鍼灸師の資格を取得、福岡の整骨院・鍼灸院で修業された後に世界各国を巡り、2014年、本格的にメキシコへと渡り開業されたという経歴の持ち主です。
講演では、メキシコで開業することになった経緯や日本とメキシコの文化の違いなど、大変興味深いお話をたくさん聞くことができました。
治療においても、日本人とメキシコ人では手技や刺鍼をした際の感じ方が違うため(メキシコの方は強い刺激が苦手だそうです)、言語の壁を乗り越えながらその方にあった治療を模索されているのが伝わってきました。

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鍼灸科の学生だけでなく、聴講した柔道整復科・理学療法科の学生も一気に視野が広がったのではないでしょうか。
今後、勝野先生に続くワールドワイドな治療家が現れてくるといいですよね✨

勝野先生の情報を知りたい方は↓↓↓からご覧いただくことができます。

【かつの鍼灸整骨院ホームページ】
https://www.cajkatsuno.com/
【メキシコ情報サイト MEXI TOWN】
https://www.mexi-town.com/post/caj_katsuno
【公益社団法人日本鍼灸師会 国際委員会主催シンポジウム】
https://www.harikyu.or.jp/9020/

2023/11/25 土曜日

☆創立25周年記念パーティー☆

令和5年11月19日(日)、西鉄ソラリアホテル福岡にて、創立25周年記念パーティーを開催いたしました。

当日は多くの卒業生および関係者にお越しいただき、誠にありがとうございました。

皆様のおかげで、本校は無事25周年を迎えることができました。

これからも切磋琢磨し、また皆様からの貴重なご意見を鑑とし、さらに良い学校になっていけるよう、教職員一同励んで参りたいと思います。

今後とも、何卒宜しくお願い申し上げます。

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☆Instagramでも当日の様子をアップしています。ぜひご覧ください☆
【Instagram】
https://www.instagram.com/fukuokairyo/

ドクターハートのつぶやき99

Filed under: プライベート — yo @ 15:22:43

肺がんの免疫療法

福岡医療専門学校 顧問  桑木絅一(循環器専門医)

今回は、心臓から少し離れた話題になりますが、最近めざましい進歩を遂げている、肺がんの治療について、紹介しておきましょう。
それは、従来の肺がん治療とは全く異なった視点からの発想に基づく、「分子標的治療薬による免疫療法」が取り入れられてきたことでしょう。
分子標的療法とは、ある特定の分子を標的としてその機能を破壊することにより、治療を完成しようとするやり方、です。例えば正常細胞と癌細胞とを分子ベルで識別し、がん細胞だけを攻撃しよう考えです。
これにより薬の開発や、創薬の時から治療に介入できる様になりました。このような治療薬を分子標的治療薬と称し、新しい分野の考え方になりなます。
今後、この分野、つまり分子標的治療薬に関係する研究、開発、生産などの仕事が多くなることが期待されます。

2023/9/25 月曜日

福岡県専門学校体育大会の結果ご報告

令和5年9月5日(火)〜14日(木)の期間、福岡県専門学校体育大会が開催されました。
本校からも多数の学生が参加しましたので、その結果を報告いたします!

【参加競技名/結果】
〜団体〜
・バドミントン女子/優勝🌸
・バレーボール男子/優勝🌸
・バレーボール女子/第4位
・卓球男子/準優勝
・卓球女子/優勝🌸
・ソフトテニス男子/第3位
・ソフトテニス女子/優勝🌸
・バスケットボール男子/2回戦敗退
・バスケットボール女子/第3位
・軟式野球/1回戦敗退
・フットサル/予選リーグ敗退
☆バレーボール男子、卓球男子、卓球女子、ソフトテニス男子、ソフトテニス女子、バドミントン女子は11/16〜17に開催される九州大会に出場。

〜個人〜
・ソフトテニス女子ダブルス
 平川 風歌さん(看護科)、山下 野乃花さん(柔道整復科)ペア/優勝🌸
 出利葉 芽衣さん(理学療法科)、森 朱里さん(鍼灸科)ペア/準優勝 
・ソフトテニス男子ダブルス
 富谷 真知君(柔道整復科)、田中 大翔君(柔道整復科)ペア/第4位
・卓球女子
 告 里佳子さん(理学療法科)/第4位
☆全員が11/15〜16に開催される九州大会に出場。

11月には九州大会が行われます。出場する選手の皆さん、優勝旗を持ち帰ってきてくださいね〜🏆

そして、来年春本校へ入学する皆さん!入部をお待ちしてます!
福岡医療専門学校は伝統的に部活動が盛んです。過去、何本もの優勝旗を持って帰ってきています✨
一緒に伝統を継承していきましょう!よろしくお願いします!

↓ バドミントン女子と顧問の柿木先生
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↓ バレーボール男子
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↓ バレーボール女子
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↓ 卓球(男女一緒に写ってます😊)
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↓ ソフトテニス(こちらも男女一緒に写ってます😊)
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↓ バスケットボール男子
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↓ バスケットボール女子
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↓ 軟式野球
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↓ フットサル
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公式Instagram・フォトライブラリーでも情報発信しています✨
【Instagram】
https://www.instagram.com/fukuokairyo/

【フォトライブラリー】
https://www.jusei.ac.jp/gallery/0/000222/

ドクターハートのつぶやき97

Filed under: プライベート — yo @ 9:48:45

関節リューマチ

福岡医療専門学校 顧問  桑木絅一(循環器専門医)

 関節リューマチは自己免疫疾患です。その特徴は、多関節炎を呈し、罹患関節の破壊、疼痛、そして機能障害をきたす疾患と定義されています。因みに、自己免疫疾患とは、本来異物を排除する役目を担っている免疫系が、自分自身の正常な細胞や組織に対してまで過剰に反応して攻撃を加えてしまうことで症状を引き起こす疾患群です。
 関節リューマチは、最近では早期に発見し、適切な治療(抗リューマチ薬)を開始することでその後の病勢を抑え、QOL、予後の改善が得られるようになりました。
 但し、治療薬の完全な中止、即ち完全治癒は困難とされています。臨床的寛解、ないし低疾患活動性が治療のゴールと考えられています。現在、約7割の患者さんがこのレベルまで回復しているということです。
 病気の中には、このような不満足な治療の完成形で終了せざるを得ない例もまだまだあるということです。

2023/9/4 月曜日

ドクターハートのつぶやき96

Filed under: プライベート — yo @ 11:24:19

動脈硬化症は炎症である

福岡医療専門学校 顧問  桑木絅一(循環器専門医)

動脈硬化に関する最近の話題を紹介しましょう。
動脈硬化は血管内膜にLDLコレステロールなどの動脈硬化惹起物質が沈着、ないし浸潤して完成するとされていました。しかし、実はそう単純なものではなく、そこに炎症という機序が加わっているということがわかってきました。このことは、動脈硬化の成り立ちを考える上からだけでなく、当然その治療・予防にも抗炎症という観点が、必須となってきたということです。
更に、最近新たな脂質管理指標としてNon-HDL-C(LDL-Cを含んで、HDL(善玉)コレステロール以外のコレステロール全て)も広くもちいられるようになりました。また、TG(中性脂肪)は、これまでは動脈硬化という観点からはあまり重要視されていませんでしたが、正常値には変化ありませんが、その重要性が見直されてきました。

以下に脂質管理基準値を示しておきます。
LDL-C 140mg/dl以上
HDL-C 40mg/dl未満
TG   150mg/dl 以上
NonHDL-C 170mg/d
管理基準値を参考に、脂質の管理をタイトにしたいものです。

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