2016/8/21 日曜日

ドクターハートのつぶやき

Filed under: プライベート — yo @ 14:29:08

心肺停止と心肺蘇生

最近、災害事故などの報道では、その犠牲者に対して「死亡」とは云わずに、「心肺停止」と伝えられることが多くなりました。「死亡」の判断には、心臓・呼吸停止の他に、瞳孔の光に対する縮瞳反射がない、など、医師による確認が必要とされています。従って、医師以外の判定では、「死亡」とは云えず、「心肺停止」と表現されているようです。

心肺停止とは、英語表現のCPA CardioPulmonary Arrest に由来しています。さらに、心肺蘇生術CPR CardioPulmonary Resuscitation により蘇生できる可能性を残しているとの意味合いも含んでいます。

緊急時(心室細動による意識不明)のCPRに関しては、これまでは、ABCAirway気道確保、Breathing 人工呼吸、Circulation循環確保)の手順が良いと言われていました。最近、ガイドラインが変更され、CABCompression 胸骨圧迫、つまり体外式心臓マッサージ法(心マ)、openAirway気道確保、Breathing呼吸)と呼称が変わってきました。即ち、緊急時には、先ず心マ(1分間に100120回の胸骨部の圧迫)を行い、AEDAutomated External Defibrillator)を作動させる、と。心拍を再開させると共に、心停止中でも脳循環は確保する、に重点が置かれています。気道確保や口-口人工呼吸などは、2の次になりました。 特に、心マに関しては、以前より圧迫回数が頻回になっています。この回数を一人で行うには、2分間が限度です。はじめから交代人員と共に始めるべきです。

最近、色々なところでAEDに関する講習会が開かれています。心マの方法に関しても、セットでレクチャーされることが多いので、ぜひ積極的に参加して習得して下さい。そして、いざというときに「ためらいなく」AEDを使い、CPRに寄与して下さい。

HTML convert time: 0.074 sec. Powered by WordPress ME.