ドクターハートのつぶやき
血圧の季節変動:冬は高く、夏は低い
血圧は、「冬は高く、夏は低い」.この血圧の季節変動は、多くの人がそう思っていることです.私自身も、経験的に、そのように考えておりました.ところが、驚いたことに、これの裏付けとなる大規模な研究成績は、これまでのところ見当らず、経験的、感覚的に、認識しているものでいた。.
最近、この考えを裏打ち出来る、大規模研究成績(Big Data)(BMJ Open誌 2018年2月)が発表され、医療現場としては、力強い援軍を得たと、意を強くしています。今回は、その中の「収縮期血圧」に関する結果の一部を紹介しましょう。
解析の対象となったのは、日本人約4万5千人(平均年齢53歳、男83%、 降圧薬服用者39%).血圧は個個人の生活の中で測定され、データは、自動的にインターネット上のサーバーに送信、蓄積する方法で、収集されました.(オムロンヘルスケア社構築ウエルネスリンクシステム)
その結果で、収縮期血圧の変動を見てみると、血圧値のピークは12月、ボトムは7月(データ収集24ヶ月)で、われわれの「フィーリング」と一致するものでした.寒い時期に、血圧は高値となり、心臓発作や、脳卒中が心配されるのも、データとして頷けるということです.
血圧以外にも、「経験的に」理解していても、多数のデータとしての裏付けに乏しいものも多くあります.今後この様なICT(情報通信技術)を活用して、従来把握することが困難であった多様な健康関連ビッグデータが得られるようになり、健康管理に役立たせることが出来る様になることが期待されます.