2019/11/25 月曜日

ドクターハートのつぶやき

Filed under: プライベート — yo @ 11:40:29

カテーテルを介した新しい弁膜症の治療:タビ

福岡医療専門学校  顧問 桑木絅一(循環器専門医)

最近の、特に高齢者の弁膜症は、動脈硬化症を原因とした「大動脈弁狭窄症」、や心不全が繰り返された結果生じた心拡大に基づく「僧帽弁閉鎖不全症」などが代表的です。

これらの病態が進行して心不全の状態に陥った時、内科的治療だけで限界となることがあります。この時は、開胸下に、「大動脈弁置換術」や「僧帽弁置換術」など、外科的処置により機能回復を図ることになります。しかし、これら外科的治療は、大きなリスクを伴うところから、、高齢であるゆえの体力的なこと、持ち合わせている合併症などのために、選択できないこともあります。

このとき、より低侵襲的な、「タビ」の出番です。

タビ(TAVI)とは、Transcatheter Aortic Valve Implantation 経カテーテル的大動脈弁留置術、文字通り、カテーテルを介して機能不全となった大動脈弁を人工弁と入れ替え、機能回復を図ろうという手術です。

僧房弁に関しても、同様にカテーテルを介した弁置換が可能となり、良い術後成績が得られています。

このような手術に伴う危険性が低い、即ち低侵襲処置は、高齢者や所謂フレイルな病人に対して、治療の範囲が広がり、救いとなっています。

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