2020/1/29 水曜日

ドクターハートのつぶやき

Filed under: キャンパスライフ — yo @ 10:50:43

下肢静脈瘤に対するグルー(接着剤)治療
福岡医療専門学校  顧問   桑木絅一(循環器専門医)

下肢の静脈がボコボコに膨れ上がり、痛々しい様相の人に出会うことがあります。膨れ上がっている部分は、静脈瘤で、静脈の弁機能障害が主な原因です。それ自体は生命を脅かすものではありませんが、下肢のだるさや浮腫など不快な症状を呈することがあるため、症状の度合いによっては、治療を行うことになります。
その治療は、以前は静脈抜去術でしたが、最近では、レーザーや、高周波を用いた血管内焼灼術(熱により血管内を固める)が一般的です。
さらに近年、血管内に瞬間接着剤(シアノアクリレート)を注入し、血管を閉塞する方法(グルー治療)も導入されてきました。これは、患者さんの苦痛(血管痛や灼熱感など)、 が小さいこと、大掛かりな設備や多くの人員が必要ないこと、などの理由から、従来の血管内焼灼術にとってかわる勢いです。
しかしながら、この接着剤は、半永久的に体内に残り、このための遅延アレルギー反応など未解決の問題もあり、今後症例を重ねながら、それでも、下肢静脈瘤治療のスタンダードとなるでしょう。

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