2022/9/3 土曜日

ドクターハートのつぶやき(86)

Filed under: プライベート — yo @ 10:54:06

低カリウム血症

福岡医療専門学校 顧問 桑木絅一(循環器専門医)

どんなに多く食べても、飲んでも、健常人では、水・電解質・酸塩基バランスは生理的範囲に調整されています。そして、そのバランスがくずれるといろいろなからだの不調が現れることがあります。
カリウム(K)は、細胞内の主要な陽イオンですが、健診などで、低カリウムが指摘されることの多い項目です。そのレベルでは、多くは目立った症状はありません。
食事の偏りがありカリウムの摂取が不足していたり、利尿薬などの影響で排泄が多くなると、低値(低カリウム血症)となることがあります。低カリウム血が認められたら、まず、これらの要因を考慮してください。
低カリウム血症は、無症状に経過し、検査結果から気づかれることが普通ですが、低カリウム血症を呈する特別な病気もあり、またまれに危険な不整脈の原因となることもあり、決して侮れません。
低カリウム血症と診断されたときは、食事の習慣や服薬状況など、念のためにチェックしておきたいものです。なお、心電図波形には、特徴的なパターンが見られ、本症の早期発見に役立ちます。

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