2022/4/4 月曜日

ドクターハートのつぶやき(82)

Filed under: プライベート — yo @ 14:31:32

肺動脈血栓塞栓症(Pulmonary Artery TromboEmborysm)後に残った肺高血圧症

福岡医療専門学校 顧問  桑木絅一(循環器専門医)

 肺動脈圧は、右心室によって生み出されます。従って、当然、動脈圧つまり、血圧(左心室圧)に比べれば低値です.正常値は20mmHg以下です。
広い範囲の、とくに細い、肺動脈が 血栓により慢性的に狭窄・閉塞され、肺動脈圧が上昇、肺高血圧が進行します。肺高血症の症状は、息切れや動悸など、本症以外でもよく見られる、非特異的なものが多く、初めのうちは目立ちません。肺高血圧が6か月以上持続すると、やっと右心室の拡張や、肥大、頑固なむくみなど、右心系心臓障害の特徴的な症状がみられるようになります。 
 肺高血圧症の原因となる肺動脈血栓塞栓症(pulmonary artery thrombo-emborysm PATHE)は対しては塞栓症発症初期であれば、血栓除去術、肺動脈内膜形成術、など、外科的なアプローチが可能ですが、成績は悪く、結局、肺高血圧を残してしまいます。
本症の長期予後は悪くリハビリや再発予防に委ねることになります。

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