2023/4/29 土曜日

ドクターハートのつぶやき(92)コレステロール

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福岡医療専門学校 顧問 桑木絅一(循環器専門医)

健診ではおなじみの「コレステロール」は、脂質のひとつで、神経組織や脳、肝臓などに多く存在しています。また、副腎皮質ホルモンや、性ホルモン、さらに、胆汁酸の原料としても、重要な物質です。

コレステロールには、以下の4種類があり、その主な役割は次のとおりです。
1:LDL 主に肝臓で作られたコレステロールを末梢の組織に運ぶ
2:HDL 組織中のコレステロールを肝臓に引き戻す(所謂善玉コレステロール)
3:VLDL 肝臓で作られた脂質を組織や筋肉などに運ぶ
4:カイロミクロン 主として中性脂肪を脂肪組織にはこぶなど(所謂悪玉コレステロールです。

血液中のLDLコレステロールが一定量を超えると(高コレステロール血症)酸化コレステロールとなり、動脈壁に沈着するようになり(悪玉コレステロール)、動脈硬化が進行します。

LDLを低下させる薬剤に関しては、スタチンをはじめ、多くの有効な治療薬が実用化されています。

HDLを増加させることも抗動脈硬化に有効と思われますが、その目的に合う薬剤の開発はおくれています。HDLを増加させるためには、唯一、運動療法が有効とされています。

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