2023/6/27 火曜日

ドクターハートのつぶやき93

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動脈硬化性血管病について

福岡医療専門学校 顧問 桑木絅一 (循環器専門医)

動脈硬化症は、正式には「粥状動脈硬化症」と呼称されますが、血管壁その中膜に粥状の動脈硬化物質が沈着して、起こります。粥状物質の沈着がないまま動脈壁の動脈硬化性変性(壁の硬化、石灰化)を来すことも多く見られます。
この様な変性の結果、脳梗塞、心筋梗塞などの動脈硬化性血管病が生まれます。
動脈硬化症を促進させる因子として、高血圧症、脂質異常症(LDL高値)、糖尿病、運動不足などが知られています。最近では、高トリグリセリドTG血症も注目されています。
これらに対する治療は、食事療法を始め運動療法など、生活習慣の改善、が主になります。高LDL血症に対しては、薬剤スタチンが有望視されています。
動脈硬化症は、生涯にわたって長い年月を経て進行するものです。血管病が、あからさまになるまで、症状としては目立ちません。検査や、診察をまめに受け、その発症を早く知り、早く治療にかかりたいものです。

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