県外入試(熊本会場・宮崎会場)の試験会場が決定しました。
心不全では 心臓から「心臓ホルモン」(BNP)が分泌される
福岡医療専門学校 顧問 桑木絅一(循環器専門医)
BNP(Brain Natriuretic Peptide)とは、心不全時に心臓から分泌される生理活性物質で、「心臓ホルモン」と呼ばれています。 心不全が進行すると、全身のうっ血がすすみ、同時に心臓は拡大します。これは、心室の壁を伸ばし(壁応力増大)、これが刺激となって、心室壁からこれらの「ホルモン」が分泌され、心不全状態を改善させようとします。
心臓ホルモンは、本来、利尿作用、血管拡張作用、心肥大抑制作用、心臓繊維化抑制作用、等を有しており、心不全改善、心保護等に寄与するものですが、BNPを測定することにより、心不全の有無、その程度などを知ろうという、アイデアが生まれてきました。
他方、BNPを心不全の治療に生かそうという考えも出てきました。BNPを 薬剤として抽出し、静脈投与可能としました。現在では、心不全治療に欠かせないものとなりました。
はじめは、心不全時の現象としての観察事項であったものが、治療薬に進化を遂げた、というところでしょう。
心不全が心機能の面からのみ論じられていた時代から、体液的な、全身的な面から考えられるべき,となってきました。BNPは、その先駆者でしょう。
6月のオープンキャンパス・Zoom入試説明会の日程は以下のとおりです。
◆ オープンキャンパス[退場時間自由]
6/ 6(日)11:00〜13:00【AO入試説明会】
6/ 9(水)18:00〜20:00
6/12(土)13:00〜15:00【AO入試説明会】
6/13(日)11:00〜13:00
6/19(土)13:00〜15:00【AO対策講座/模擬講義・面接対策】
6/20(日)11:00〜13:00
6/16(土)13:00〜15:00
6/27(日)11:00〜13:00【AO対策講座/模擬講義・面接対策】
◆ Zoom入試説明会
6/ 2(水)18:00〜18:30(理学療法科・柔道整復科・鍼灸科)学科紹介
6/ 5(土)10:00〜10:30【学校紹介・AO対策講座】
6/12(土)10:00〜10:30【学校紹介・AO対策講座】
6/19(土)10:00〜10:30【学校紹介・AO対策講座】
6/29(火)18:00〜18:30(診療放射線科・看護科)学科紹介
オープンキャンパスは、開会後にDVD上映、施設見学、入試説明、在校生相談を行います。
その後、希望される方には、個別相談、実技体験、学生寮見学の時間を設けております。
感染症対策を行った上で開催しておりますのでご安心してご来校ください。皆様のお越しをお待ちしております。
Zoom入試説明会は、遠方の方やコロナ禍で外出を控えている方でも来校せずに、ご自宅などで説明を受けられます。是非ご視聴ください。
機能的僧帽弁閉鎖不全症functional mitral regurgitation
福岡医療専門学校 顧問 桑木絅一(循環器専門医)
僧帽弁は、左心室にあって、左心室が拡張するときにここを介して、血液塊が一気に左心房から左心室内に送り込まれます。左心室の収縮開始と同時に閉鎖し、左心房への血液逆流を阻止します。しかし、左心室からの強い血流を直に受けることになります。僧帽弁は、それに付着する乳頭筋や腱索の働きで、収縮期に血流に押されて僧帽弁が左心房側に反転しないように引っ張られます。ところが、心不全が進行すると、左心室の拡張が起こり、それに伴って、心室内の構造が変化します。(これをremodelingと呼びます)
その結果、僧帽弁組織が緩んで収縮期に血流が左心房側に漏れることがあります。即ち、僧帽弁閉鎖不全症(Mitral Regurgitation MR)です。弁組織それ自体が痛んでいるわけではありません(即ち 弁の病気でなく機能的な障害)「機能性僧帽弁閉鎖不全症functional MR」と称します。これは、通常では無害ですが、心不全が進行した状態では、先のremodeling の影響もあって、有害な僧帽弁不全として働き、心不全を悪化させます。
これに対しては、最近、カテーテル介して手術器具(針、 糸など)をとうして、僧帽弁腱索を縫い縮めて弁の逆流を止める手術法が一般的になってきました。これにより、心不全の増悪化が予防され、予後の改善につながっています。
functional と、いかにも無害性な「ひびき」ですが、心不全下の心臓にあっては、由々しき事態をひきおこしかねないことを理解しておくべきでしょう。
令和3年度入学予定者を対象とした「第2回入学予定者登校日」を2/6、オンラインで開催しました。
緊急事態宣言が発令されていたため、入学予定者は自宅からZoomを使ってオンラインで参加しました。学習課題の解説や自己紹介、グループワークなどを行いました。全ての学科において在校生の参加もあり、楽しくコミュニケーションを取りながらすすめることができました。
「解説が分かりやすかった」「先輩と話せて楽しかった」「短時間でもコミュニケーションを取ることができた」「安心して入学できそう」などの感想が、入学予定者の方からありました。
入学まで不安なこともあると思いますが、仲間と会える日を楽しみに、この状況を乗り越えていきましょう。
皆様と実際にお会いできる日を楽しみにしています。
急性期脳梗塞の新しい治療法—薬物治療から血管内カテーテル治療へ
福岡医療専門学校 顧問 桑木絅一(循環器専門医)
心房細動の合併症として恐れられている脳血栓による脳梗塞の治療は、発症後なるべく早く(ガイドラインでは4.5時間以内に)t-PA等の薬剤を用いて経静脈的な血栓溶解療法を開始することがスタンダードでした。
近年、カテーテルを用いた血栓症に対する治療法(血管内治療)の発展が著しく、血栓を標的として、直接攻撃する治療法が取り入れられるようになって来ました。これにより、発症早期に、血栓を溶解、崩壊させ、血流を再開させ、さらには血管の修復さえも可能となりました。
この血管内治療は、高度のカテーテル技術、最新の放射線設備、訓練されたチーム等が必要で、発症時にそのような施設に救急搬送されるかどうか、も重要な生き延びるための要素となります。救急体制などと、総合的な体制作りが必要となります。
脳血栓症急性期治療にとって、新しい時代となりました。
左心室が収縮力を失ったときの “Rescue System”
としての impella について
福岡医療専門学校 顧問 桑木絅一(循環器専門医)
左心室は、全身に血液を供給する「ポンプ」です。 これが心筋梗塞などにより機能不全になったとき、その機能を一時的に補助し、血液循環を維持することが求められます。そのために、例えば、左心補助人工心臓(Left ventricular assist device LVAD)などが開発されていますが、これとて、かなり大掛かりな装置となります。
今回紹介する“impella” は、太めのpigtailカテーテルの先端を左心室内へ挿入し、これを介して、肺で酸素化されて左心室に送られて来た血液を、体外装置を用いて脱血し、大動脈にもどす仕組みです。これにより、血液循環を確保できると同時に、弱った左心室を休ませる効用があり、この間に左心室の回復を待つという考えです。ただし、耐用時間が数週間と短く、それ以上の長期にわたる場合は、さらに大掛かりな装置が必要となり、心臓移植を前提とした待機療法にバトンタッチされることになります。いわば、LVADなどは、それまでの「つなぎ」の役目ですが、”Rescue”として重要な役割を担っています。
impella も、もともとは、臨床の現場からの発想ですが、臨床にフィードバックされ、十分機能しています。
皆さん、こんにちは。
11/28(土)
・10:30〜11:00 Zoom入試説明会〔推薦入試対策〕
・13:00〜16:00 オープンキャンパス〔入試説明会〕※最終受付15:00
11/29(日)
・11:00〜14:00 オープンキャンパス〔入試説明会〕※最終受付13:00
お申し込みはホームページのお申し込みフォームからお願いします。
オープンキャンパスは感染症対策のため個別にご案内いたします。
実際に学校を見に来てみませんか?皆様の来場をお待ちしています。
Zoon入試説明会はビデオ会議システム「Zoom」を用いて行います。
進路選択に悩んでいる方、福岡医療専門学校で一緒に学びませんか?
新しい弁膜症治療ガイドライン2020より
特に高齢者に急増している「大動脈狭窄症AS」について
福岡医療専門学校 顧問 桑木絅一(循環器専門医)
大動脈弁狭窄症 AS:Aortic Valve Stenosis は、左心室の出口にある大動脈口が狭窄した病態です。以前は、リューマチ性弁膜症によるものがほとんどでしたが、リューマチ熱が克服された今日では、高齢者で動脈硬化症による弁硬化の結果、であることがほとんどです。
ASでは、大動脈弁口から拍出される血圧が左心室圧より低いことが特徴です。即ち、血圧は正常であるにもかかわらず、左心室内圧は高いということです。つまり、高血圧性心臓病が進行して、心肥大が進んでいたということになります。これは、狭心症や心筋梗塞などのリスクになり、ひいては、心不全の原因ともなります。さらに、知らないうちに心内圧が高くなっていたことが、その後の突然死のリスクともなります。
本症の発見のためには、心エコー法が役立ちます。これにより、大動脈弁の形状や、弁口面積など狭窄の程度や、心肥大の程度など、本症の重症度を知ることが出来ます。
本症の治療には、以前は手術による弁置換法が唯一でしたが、最近では、非開胸的に、カテーテルを用いた血管内治療が主流となっています。
病気が進行するまで本人にとっては無症状で自覚症状がないことが多く、早期発見には診察室での「聴診」が有効です。強大な収縮期心雑音が聞かれますので、定期受診時には必ず聴診器をあててもらってください。
新しい不整脈治療ガイドライン2020が歩き始めました
福岡医療専門学校 顧問 桑木絅一(循環器専門医)
不整脈治療ガイドラインが改定され、臨床応用されています。
その中から、最も身近な不整脈である心房細動に関連することについて、肝心なところを拾って紹介しましょう。
今回の改定では、心房細動に限らず、治療の目的が患者さんの「QOL」を第一に考慮しようという方向にシフトしました。この考え方から、心房細動の治療薬として、それまでは治療薬のスタンダードであった「ワルファリン」に代わって、最近、抗血栓治療薬として、広く用いられるようになってきた、DOAC(direct oral anticoagulants)がいわば、市民権を得ました。このグループの薬剤は、ワルファリンと異なり、薬物の効きぐわいや血液中の濃度などのモニターが必須ではなく、「有効である、有害ではない、」と信じて、服用しなさい、ということになります。これまでの使用経験の蓄積から、そこまで言い切ることが出来るようになったということです。医療に現場としては、安心して、新しいGLを使うことが出来、心房細動による血栓予防に躊躇なく使用することが可能となりました。
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