2023/4/29 土曜日

ドクターハートのつぶやき(92)コレステロール

Filed under: プライベート — yo @ 12:17:42

福岡医療専門学校 顧問 桑木絅一(循環器専門医)

健診ではおなじみの「コレステロール」は、脂質のひとつで、神経組織や脳、肝臓などに多く存在しています。また、副腎皮質ホルモンや、性ホルモン、さらに、胆汁酸の原料としても、重要な物質です。

コレステロールには、以下の4種類があり、その主な役割は次のとおりです。
1:LDL 主に肝臓で作られたコレステロールを末梢の組織に運ぶ
2:HDL 組織中のコレステロールを肝臓に引き戻す(所謂善玉コレステロール)
3:VLDL 肝臓で作られた脂質を組織や筋肉などに運ぶ
4:カイロミクロン 主として中性脂肪を脂肪組織にはこぶなど(所謂悪玉コレステロールです。

血液中のLDLコレステロールが一定量を超えると(高コレステロール血症)酸化コレステロールとなり、動脈壁に沈着するようになり(悪玉コレステロール)、動脈硬化が進行します。

LDLを低下させる薬剤に関しては、スタチンをはじめ、多くの有効な治療薬が実用化されています。

HDLを増加させることも抗動脈硬化に有効と思われますが、その目的に合う薬剤の開発はおくれています。HDLを増加させるためには、唯一、運動療法が有効とされています。

2023/3/23 木曜日

ドクターハートのつぶやき(91)

Filed under: プライベート — yo @ 15:37:08

起座呼吸

福岡医療専門学校 顧問 桑木絅一(循環器専門医)

今回は、心不全の症状について、お話しします。
心不全の症状と云っても、目立つのは心臓の症状というより肺の症状、つまり呼吸困難、息苦しさ、です。
肺では、末梢の気管支枝などで気道の中の空気がはじかれて、ラ音と呼ばれる、肺雑音が生じます。我々は、これを聴いて、心不全ありと診断します。
心不全では、肺、つまり上半身のうっ血が症状の主体です。これを軽減するには上半身を高くします。つまり、起座位の方が楽に呼吸できます。これが起座呼吸です。
うっ血を改善するためには、利尿薬が用いられています。利尿薬の役目は、静脈血量を減らして、肺のうっ血を改善することです。

2023/2/3 金曜日

ドクターハートのつぶやき90

Filed under: プライベート — yo @ 9:08:15

心不全症状(うっ血)は心室の伸展性(コンプライアンス)の低下により起こる

福岡医療専門学校 顧問 桑木絅一(循環器専門医)

今回は、心不全の主な症状である、「うっ血」がなぜ起こるか?について、その経路について解説します。
うっ血を来す経路の「原点」は、左心室の伸展性(コンプライアンス)の低下です。左心室は、収縮により拍出を終わり、拡張期に入り、拡張末期には最低圧となります。左心室の伸展性(即ちコンプライアンス)の低下があると、
左心室は最大に拡がりきれず、この末期圧が高いままで、次の収縮につながってしまいます。本来、拡張末期には、心内にかかる圧をにがしてしまうべきなのに逃がすことが出来ずに、拡張末期圧の上昇があり、このわずかの圧の上昇が持続すると、左心室の上流に当たる、肺血管床の圧が上昇し、肺静脈圧上昇、ひいては肺浮腫等心不全の症状を呈することになります。
この時、交感神経系の緊張が増し、脈拍数が増加し、BNP等抗心不全物質の分泌が促され、心不全に抗しようとします(即ち代償機構が働きます)。
心不全は、これら、代償機構が破綻した結果生じた、状態、ということがいえます。心不全の治療として、このコンプライアンス増強する方法、即ち、心室筋や血管系の柔軟性を増す、血管拡張薬等が好んで用いられています。これは、最近一般的になったことです。

2023/1/8 日曜日

ドクターハートのつぶやき(89)

Filed under: プライベート — yo @ 15:03:31

福岡医療専門学校 顧問  桑木絅一(循環器専門医)

 今回は、サルコイドーシスについてふれてみたいと思います。
 この疾患名は、聞き慣れないという方が多いかと思います。これは、原因不明の全身性肉芽腫性疾患です。因みに肉芽とは、新生結合組織で、肉眼的に顆粒状の組織に見えるところから、肉の芽という字が当てられ、新生物であるところから腫瘍の「腫」があてられていますが腫瘍ではありません。
 この疾患は、呼吸器病変を伴うことが多く、胸部レントゲンや胸部CT検査などで発見されることが多いのですが、ほぼ全ての臓器で発現します。
 確定診断のためには、組織検査(生検)が必要です。
 臨床症状は、肉芽腫発現の部位により様々です。
 多くは、無症状、ないし軽度で、このためにかえって発見が遅れてしまいます。
 心臓が疾患の場―心臓サルコイドーシスは、高度房室ブロックや、異常な心室壁運動のため、心電図や、心エコー図など通常の臨床検査により発見されることが普通です。
 病因論としては、アレルギー反応の考えが有力です。
 
 本疾患は、まだまだ未知の部分が多く、今後の研究に委ねるところが多い分野です。

2022/10/25 火曜日

ドクターハートのつぶやき(88)

Filed under: プライベート — yo @ 17:43:01

心臓リハビリテーション(心リハ)

福岡医療専門学校  顧問 桑木絅一(循環器専門医)

先般、国会に於いて国の循環器病対策の基本方針をとめた「循環器病対策基本法」が成立しました。これにより、我が国での循環器病の診療体系が大きく変わり始めました。中でも、心臓リハビリテーション(心リハ)については、これまでの心筋梗塞の病後のみならず、心不全や、不整脈など、ひろく、循環器病が対象となりました。
心リハとは、心血管疾患患者の身体的・心理的・社会的・職業的状態を改善し、基礎にある動脈硬化や心不全状態の進行を抑制し、—中略—多職種チームが実践する長期にわたる多面的・包括的プログラムを指すと定義されています。そしてその目的は、心疾患による再発、並びに再入院を抑制し、生命予後を改善するという、予防医学としての意義にあります。
この目的のためには、患者とその家族がその生活の中で適切な自己管理行動(self management)を継続できるように支援するという予防医学的なことが重要です、そしてそれを担うのが、心リハなのです。
今回は、心リハの対象が、これまでの範囲を超えて、循環器病にとって重要な存在となったことをお伝えしました。

2022/9/30 金曜日

糸島市からの贈り物「糸島支援米」を学生に配布しました。

Filed under: キャンパスライフ, プライベート — yo @ 11:42:03

8/25(木)、連携協定を締結している糸島市から、生活に困窮している学生支援を目的として、令和3年度糸島産米をご提供いただきました。
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コロナ禍における様々な社会情勢の変化は、本校学生の生活にも多大な影響を及ぼしています。
事前に配布希望調査を行ったところ大変多くの手が挙がりましたので、クラスごとに順次配布を行いました。
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その中で数人の学生に感想を聞いたところ、
「切り詰めた生活をしているので純粋に嬉しいです」「安心して学習に割くことができる時間が増えるのでとてもありがたいです」
との声が聞かれました。

支援米をご提供いただいた糸島市、お米を育てていただいている生産者の方々、並びに今回の取り組みにご尽力いただいた関係者の皆様に対し、心より感謝申し上げます。
本当にありがとうございました。

最上級生は国家試験まで残り半年を切りました。今からラストスパートを掛けるときです。
いただいた糸島支援米をたくさん食べて、この冬を元気に乗り越えていきましょう!💪😊

ドクターハートのつぶやき(87)

Filed under: プライベート — yo @ 10:23:56

HCM (肥大型心筋症)とDCM(拡張型心筋症)

福岡医療専門学校 顧問 桑木絅一(循環器専門医)
  
心臓の筋肉(心筋)そのものの異常(原発性)による心臓病があります。それは、心筋症です(Cardiomyopathy)
心筋症には、大別して、2種類、あります。
HCM (Hypertrophic Cardiomyopathy )肥大型心筋症と
DCM (Dilated Cardiomyopathy) 拡張型心筋症です。

高血圧など、心収縮力を増強しなければならないときに、それに呼応して心筋線維の肥大が起こります。その結果、心臓肥大になります。
HCMは、圧負荷がないのに、心筋線維の肥大が起こり、その結果、心肥大になったものです。
HCM は、多くは無症状に経過します。収縮力は十分ですが、心筋の柔軟性を欠き、 心臓の拡張障害を来し、このため十分な心拍出量が得られず、心機能低下を来たすことがあります。
一方、DCMは、やはり遺伝子異常のために、心筋組織が伸びきった状態となり、心収縮力を産むことが出来ず、心拡大、心機能不全に陥ります。生涯にわたって、慢性心不全の治療が必要となります。
HCM、DCMともに、遺伝子異常が関与しています。従って、今のところ、根本的な治療法はありません。が、ともに。難病に指定されていますので、今後の研究に待つことになります。

2022/9/3 土曜日

ドクターハートのつぶやき(86)

Filed under: プライベート — yo @ 10:54:06

低カリウム血症

福岡医療専門学校 顧問 桑木絅一(循環器専門医)

どんなに多く食べても、飲んでも、健常人では、水・電解質・酸塩基バランスは生理的範囲に調整されています。そして、そのバランスがくずれるといろいろなからだの不調が現れることがあります。
カリウム(K)は、細胞内の主要な陽イオンですが、健診などで、低カリウムが指摘されることの多い項目です。そのレベルでは、多くは目立った症状はありません。
食事の偏りがありカリウムの摂取が不足していたり、利尿薬などの影響で排泄が多くなると、低値(低カリウム血症)となることがあります。低カリウム血が認められたら、まず、これらの要因を考慮してください。
低カリウム血症は、無症状に経過し、検査結果から気づかれることが普通ですが、低カリウム血症を呈する特別な病気もあり、またまれに危険な不整脈の原因となることもあり、決して侮れません。
低カリウム血症と診断されたときは、食事の習慣や服薬状況など、念のためにチェックしておきたいものです。なお、心電図波形には、特徴的なパターンが見られ、本症の早期発見に役立ちます。

2022/8/19 金曜日

第55回 公益社団法人 全国柔道整復学校協会 柔道大会に出場しました!

令和4年8月10日(水)、東京武道館にて3年ぶりに「全国柔道整復学校協会 柔道大会」が開催され、本校柔道整復科の学生3名が大会に出場しました。

<参加選手>
先鋒:柔道整復科3年 松永昂士(宮崎日大高校出身)写真左
中堅:柔道整復科3年 白波大喜(宮崎日大高校出身)写真中央
大将:柔道整復科1年 今村 光(鵬翔高校出身)  写真右

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<予選リーグ一回戦>
福岡医療専門学校 −0 京都医健専門学校
先鋒:松永(一本勝ち)
中堅:白波(一本勝ち)
大将:今村(一本勝ち)
全員が一本勝ちで勝利しました。

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<予選リーグ二回戦>
福岡医療専門学校 −0朝日医療専門学校
先鋒:松永(一本勝ち)
中堅:白波(一本勝ち)
大将:今村(不戦勝)

予選リーグ2試合の結果、決勝トーナメント出場が決定しました。
↓この写真は先鋒松永選手が綺麗な背負投げで1本を取る様子です。
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<準決勝>
福岡医療専門学校 ◆檻亜‘本総合医療専門学校
先鋒:松永(一本勝ち)
中堅:白波(一本勝ち)
大将:今村(引き分け)

先鋒の松永選手が試合序盤「技有」を奪われ厳しい試合展開を迎えましたが、チーム一丸となり乗り越えました。

さあ、次はいよいよ決勝戦・・・心技体すべてにおいて「ギア」が上がってきました。
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<決勝戦>
対戦相手は育英メディカル専門学校です。
選手達は全力を出し切り戦ってくれました!

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そして試合結果は・・・
福岡医療専門学校 −0 育英メディカル専門学校
先鋒:松永(技有勝ち)
中堅:白波(一本勝ち)
大将:今村(一本勝ち)

全国大会で優勝しました!
しかも、最優秀選手に本校キャプテン白波大喜選手が、優秀選手に松永昂士選手が選出されました。

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応援してくれた皆様、ありがとうございました。
そして、日頃の練習の成果を十二分に発揮し、輝かしい成績を残してくれた選手達、感動をありがとう!

柔道整復師を養成する福岡医療専門学校

2022/8/4 木曜日

ドクターハートのつぶやき(85)

Filed under: プライベート — yo @ 14:22:13

糖尿病治療薬変じて心不全治療薬となる:SGL2物語

福岡医療専門学校 顧問 桑木絅一(循環器専門医)

SGL2(sodium glucose cotransporter 2)阻害薬は、糖尿病治療薬としてすでに広く用いられています。(ジャディアンス、フォシーガなど)
糖尿病には心血管病の合併症が多く、それがもとで心不全に陥っている例も少なくありません。この心不全が、糖尿病治療薬SGL2阻害薬使用中の例では、重症化しない、あるいは改善した、という予期せぬことが、頻回にみられました。そこで、糖尿病を合併していない心不全の症例では、その改善効果がみられるかどうか、検討されました。つまり、多数の心不全患者での大規模治験が組まれました。
その結果、本薬は心不全を改善する、心不全を予防する、と結論され、新たな、心不全治療薬として認められることとなりました。
このような「いきさつ」を経て、現在では、心不全治療薬として、広く用いられることとなりました。
通常、新薬は、治療効果があること、副作用がないことなどを確認して、市場に出されますが、本薬のように、すでに市場に出回っている薬剤に関しては、その副作用など、マイナス面の検討の必要はなく、効果についてのみ、検討が残っていることになり、医療経済の観点からも、歓迎されます。
 このような例は、あまりありませんので、紹介しました。

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